彼岸花の海

真っ暗な夜 海辺を歩く
何かわからない光の反射
踏み絵を避けた裸の足で
真砂に続く痕をつける

割れない海を 眺める静寂
駆け出しては また笑う

あなたのこと 思うたびにね
頭の中に赤い花が
ふえて ふえて ふえて 
一杯になる

誰もいないこの海にね
頭の中に咲いた花を
一つ 一つ 一つ 
流し続ける 流し続ける

砂の数を数えて潰す
唄の続きを誰が聞きたい?
流れ着いては離れていく
波の終わりをいつか見たい

濡れた身体が 朝には乾き
息をとめても まだ続く

わたしのこと 置いてけばいい
皮膚が割れて産まれた虫が
ふえて ふえて ふえて
真っ黒になる

悲しみにね 照らされてる
記憶にない 遠い路で
迷う 迷う 迷う
戻れなくなる

朝が来ても
新しい恵みも
求めた救いも
来ない

あなたのこと 思うたびにね
頭の中に赤い花が
ふえて ふえて ふえて 
一杯になる

誰もいないこの海にね
頭の中に咲いた花を
一つ 一つ 一つ 
流し続ける 流し続ける






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